ルーム

久しぶりに映画を観たら、すごく良かった。

厳密には素敵なお話ではないのだけれど、、心にずしーっと残るものがあった


あらすじ

「ルーム」は7年間狭い部屋で監禁されていた母と息子の事件のその後を描いた物語で、母性愛や奪われた人生の再起を描いた名作

5歳の男の子、ジャックはママと一緒に「部屋」で暮らしていた。体操をして、TVを見て、ケーキを焼いて、楽しい時間が過ぎていく。しかしこの扉のない「部屋」が、ふたりの全世界だった。 ジャックが5歳になったとき、ママは何も知らないジャックに打ち明ける。「ママの名前はジョイ、この「部屋」の外には本当の世界があるの」と。混乱するジャックを説き伏せて、決死の脱出を図るふたり。晴れて自由の身となり、すべてが解決して幸せになれると思っていた。(wikiより)


フリッツル事件を元に書かれているらしく、この事件の方がもっとすさまじくて驚いた(読んでいて映画と重なるところがいくつもある)


ジャックの演技がすごい

まず、生まれてからずっと小さい部屋で暮らしていた男の子 ジャックを演じる ジェイコブ・トレンブレイの演技が本当にすごい

たどたどしい仕草や話し方が女の子のようだし、あの長い髪を邪魔そうに手でかきわける仕草

ママを見つめるときの表情とか、ママ大嫌い!と叫ぶときのあのカット

観てるこちらの心をぐわーっと惹きつける。

何よりあんなに小さいのに、演技ができることが素直にすごい、、


閉じ込められている時のほうが、幸せだった?

必死の思いで抜け出した監禁部屋。そこから出れば世界が広がっていて、幸せになると信じてたのに。ママが自分で命を絶とうとしてしまうシーンが怖かった

そのカットの前に、ママがマスコミのテレビ収録に出演していて(裁判や治療でお金が必要になるからと、仲介役が出演を勧めていた)

問題なく進んでいるようにみえた収録中、インタビュアーが「息子を助けようと思わなかったの?あなたと一緒にあの部屋で暮らす選択しかなかったのかしら?たとえば、息子だけ施設で育ててもらえるよう頼むとかは考えなかったのかしら、彼の将来を考えて」などと、

ママは息子の将来のためにベストを尽くさなかったといわんばかりのメッセージを受けて呆然としていた

そこでママが自殺を図って、家からいなくなってしまうのだけれど

ママがいなくなってから、ジャックが「あの家にもどりたい」と言ったことが、印象的だった

「だってあのときは、ママがいたからね」

彼はあの小さな部屋でも、ママと一緒だったから幸せだったんだよな。


ママが帰ってきて、ジャックに「いいお母さんじゃないよね」といったとき

「さぁ、でもママはママだから」といった言葉にも、

良いとか悪いとか正しいとか間違っているか ではなく

ぼくの「ママ」であることで十分


辛い監禁生活の7年間を、少しづつ癒していくことのほうが壮絶で心が痛んだけれど

・もっと違う方法があったかも

・間違いを犯したかも

・良い人・良い人間でない自分

・自分で自分が嫌になる出来事

そんなことを超えて、前に進もう。それだけで十分だよ。と

ちいさなジャックが気づかせてくれて、涙がでた


あとは、映像の撮り方も面白かった。

映画の面白いところは、セリフになくてもカットの作りやカメラの動きで、人の動きや 物語の雰囲気を演出できるところ。

ルームでは、ママがパンを残しているとか、天窓から見える空がすごく綺麗だとか、ネズミが死んでしまうとか、息が白いとか。

そういったことの意味が、拡大して感じられてくる瞬間が多く、

多くを語らないんだけれど、私たちから引き出そうとしている。


印象に残る作品の共通項として、私たちの中にある「意味」が引き出されたときに、

「あ。」と自分のことがらと結び附いて、ピンっと糸は張り合う瞬間が 心に残っているきがする。

ルームはまさに、そういう作品かも

urushi-note

あちこちに散らばってしまうモヤモヤや、ふむふむを ランダムに残していく公開メモ 全く明日から使えない非合理主義

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