なぜこの本を選んだのか
「実践者向けユーザーインタビューの講座」の受講に向けて、事前知識としてマーケティングにおけるインタビュー調査の方法を知っておこうと思ったから。
以前はカールロジャースの心理学・カウンセリング寄りの傾聴の本は読んでいたから、
人は自分のことを話せるようになると癒されていく(だいぶ簡単にかいたけど)というのもとても面白かった。
インタビュー自体はラポールが築けてないと失礼な行為になるけれど ラポールができてくるととても癒される行為になると実感している。ビジネス目線でのインタビューで、わかること・できることはなんだろう?といった目線を持ちながら読んでいった。
マーケティングインタビューでわかることは?
井登 友一(インフォバーン)さんの連載より参照
インタビューによる質的調査は、個人による発言や行動など、数量や割合では表現できないものの“意味”をリサーチャーが解釈することで、新しい理解やヒントにつながる「質的データ」を得るための調査方法です。How・Why/「どのように?」・「なぜ?」を知り、新しい理解につなげることを目的としています。
この4つの視点はマーケティング上のさまざまな課題やテーマのどれかは当てはまるとのこと。
インタビューで問うべきこと
インタビューでは単に購入された製品の機能のどこがよかったのかということではなく、購入する過程での躊躇、買うことにしたときの決めて、周囲の影響や自分の気持ちの変化など購入プロセスごとに何が影響を与えたのか、どういう心理的ベネフィットがあったのかを確認しなければならない。
→人の欲望・欲求と、そこに至るあことを邪魔する心理的阻害要因、またそういった心理的なハードルを越えるための憧れ感や達成欲求がどこにあるか探ることが必要。時間軸での気持ちの変化を追うことで、心理的ベネフィットを探るきっかけを見つける
認知的不調和理論
人はこうあるべきという理論と、矛盾した行動をとることがある。価格が自分の身の丈にあってないのに、ローンを組んで買っちゃうという話はよくあることだけれど、自分が納得できる理由付けを無意識のうちにしてしまう。
たとえば、一生モノだし!とか、あの人も持ってるから私も持ってもいいよね!とか。自分が合理的だと思える理由付けをしてしまう心理に、ニーズが隠れている。
沈黙のマネジメント
沈黙の種類
沈黙は有益な情報である。沈黙を受け止め、しばらくまってみること。
してはならないのは、沈黙に絶えられないために沈黙は存在しなかったことにして誘導質問してしまうこと。話を突然変えてこちらに逃げてしまうことだ。
→沈黙のマネジメントは難しい。ここを意識しているかでかなり内容が違ってくると思う。
私の少ない経験でもインタビューしていくなかで、テンポが止まるときがある。その人の身振り手振りも固まってしまい、表情も硬くなる瞬間があった。そのときに、私もどうすれば良いのかわからなくなって、とりあえず次の質問に進む・「こうですかね?」などど誘導することがあったなぁと反省した。
まず受領の態度を示す
相手から投げられたボールはまずそのままキャッチしてから、相手にまた補足させて考えさせ、さらに投げかええされたボールを受けとめていく。そうしたキャッチボールのようなやりとりこそが相手を受けいれるということでもある。相手に対して、こちらの望む回答を押し付けることは最も避けるべきだ
受け入れている姿勢を表現するために、問いの言い方も工夫が必要。
具体的な方法としては以下のような例があがっていた
攻撃的でない質問の仕方
「なぜそうするのか?」と直接的に言ってしまうと、相手は批判されたような気持ちになってしまう。相手は人なので感情によってラポールも揺れ動く。
だから「なぜ?」ではなく、「どんなきっかけがあったのか?」「何か妨げになったことはある?」「補かの人に伝えるとしたらどうする?」「独自の特徴をあなたの言葉で言うと?」など、周りからやんわりと本質に進んでいくことも大切。
→自分でも「なんで?」と急に言われても、、なんでなんだろう?と話が終わってしまったり、「えっと・・・それはね。こうだから!」と付け焼刃な回答やもっともらしい回答をしてしまう。切りかえしが上手な人も少なからず居ると思うし、なぜ?と直球を打ち返した人の言葉を信用していいものかな?とも思うようにもなった。
徐々に本質にたどり着けるように、こちらからも工夫していくことは必須だと思う。
3つの視点で質問を考える
行動・態度・意識の3つの視点
商品を実際に購入した、などという行動に対しての情報を得る。行動した背景には態度がある。態度は行動に影響を与えていること、たとえば甘いものは苦手なの、とかヘルシーな印象のものを探しているとか。
さらにその先の意識レベルでは、態度を形成している背景にある要因を探る。たとえば甘いもが好きなのに、肌の美しさに影響するから食べないとか。この3つの視点の中で意識が一番見つけにくいし、個人が自分の意識を自覚できていないと言葉にできにくいところ。
この3つの視点を持ちつつ、意識レベルのニーズを探れなければ、ただのヒアリングに終わってしまいそうだ。
まとめ
結論>これはとても良書だと思う
2009年発売の本だけれど、インタビューをしようと思っている人はこれを最初に読んでおいたらとても良いし人にも勧めると思う。
- 分析視点を持ったインタビュー設計の具体例
- インタビューでの非言語情報の大切さ
- 語りにくいイメージを語ってもらうための工夫
など、インタビュー前・中・後のことも考えられた内容になっていて実践的だった。
私はもっと知りたいし、ここに自分のスキルアップのヒントがあるのではないかと思った(なにより活力が湧いている自分がいる)ので、先日奥泉さんに教えてもらった書籍も読んでみるつもり。
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